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FX為替市場レビュー
【NY市場】米住宅指標が悪化も、米株は反発
週明け19日のNY市場は、米株式市場をにらんでの揉み合いで全般に小動きだった。序盤に発表された米NAHB住宅市場指数が7月は14と発表され、2009年4月以来の低水準を記録した。序盤、堅調だった米株が下げに転じる場面もあり、為替市場では円高圧力が加わった。ただ、米株は次第に下げ渋り、序盤の上げの勢いを取り戻している。
ドル円はロンドン市場で87円台乗せとなっていたが86円台後半へとやや水準を下げての揉み合い。ユーロ円も113円近辺から112円前半へと軟化したあとは112円台半ばでの取引。ポンド円は売り優勢に展開し、133円台から132円割れまで下げたが取引後半には132円台を回復している。豪ドル円は75円台、カナダ円は82円台での取引に終始した。
◆欧州ストレステストに不安材料も
ユーロドルはロンドン市場で上下動したが、1.28台後半から1.29台後半へと水準を上げた。ただ、NY市場ではやや調整の動きも見られ、1.29台での揉み合いとなっている。そのなかで、欧州ストレステストに関する報道が話題になった。関係筋の情報として、独ヒポ・レアルエステートはストレステストに不合格、との報道があった。前週からの欧州ストレステスト関連の報道は楽観的なものが大半だったが、ここへきて不安材料もでてきている。ただ、ユーロ相場自体は底堅く推移し、大きく値を崩す場面は無かった。むしろ、対ポンド相場は一時0.85台前半と5月28日以来の高値水準へと上昇している。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【ロンドン市場】ユーロが値動き主導、日銀緩和期待も
週明けのロンドン市場はユーロが値動きを主導した。序盤はユーロ売りが先行。ユーロドルは1.29台前半から1.28台後半、ユーロ円は111円台後半から111円台半ばまで下げた。格付け会社ムーディーズによるアイルランドの格下げ(Aa1→Aa2)、ハンガリーの財政問題などがユーロ売りの手掛かりとされた。ただ、早朝の売買が一巡するとユーロ売りは一服。ユーロドルは1.30手前、ユーロ円は113円台まで急反発するなど荒っぽい値動きだった。一方、ユーロポンドは0.84台前半から0.84台後半まで上昇するなど堅調だった。市場ではユーロポンドでフィキシング絡みの買いが観測されていたほか、ユーロドルで中東系やソブリン系の買いが観測されていた。値ごろ感で欧州株が買い戻されたこともユーロを押し上げた。
◆日銀の追加緩和観測が話題に
きょうは日銀の追加緩和観測で円安に振れる場面があった。ダウ・ジョーンズ通信は関係筋の話として、1-2ヶ月に渡って1ドル=85円前後で推移すれば、日銀は追加緩和を検討する可能性があると報じている。円高による景気悪化を防ぐことが狙いという。ドル円は当初、86円台半ばで小動きとなったが、このニュースが伝わると87円台前半まで上昇している。ほぼ同じ時間帯にユーロ円が111円台半ばから113円付近まで上昇したこともドル円を押し上げていた。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【NY市場】弱い米消費者信頼感指数でリスク回避に
16日のNY市場ではリスク回避の円買いやドル買いが強まった。ドル円は年初来安値更新。昨日に引き続き、資源国通貨に対してはユーロの買い戻しが入った。決算発表を行ったバンク・オブ・アメリカやグーグル、GEなどが軒並み売られたことが背景。市場予想を大きく下回る米ミシガン大学消費者信頼感指数も追い打ちをかけ、米経済の先行き不安が一段と強まった。
こ日発表された7月の米ミシガン大学消費者信頼感指数は前月の76.0から66.5に大幅低下。内訳の現況指数は85.6から75.5へ、期待指数は69.8から60.6へ下がった。米消費者物価指数は市場予想並、対米証券投資収支は市場予想を下回った。
◆ドル円は年初来安値更新、クロス円も軟調
ドル円は86.91辺りから86.25辺りまで下落。弱い米ミシガン大学消費者信頼感指数や株安が圧迫材料だった。下げ一服後は86円台中盤まで小戻し。クロス円もNY午前で円高の動きが一服したが、米株式市場が値を下げ続けたことで、戻りは鈍かった。ユーロ円は112.90辺りから111.53辺りまで、ポンド円は133.68辺りから132円ちょうど辺りまで下落。
ユーロドルはNY序盤に1.30台にのせた後、リスク回避のドル買い圧力が強まったため、1.2914辺りまで反落。ただ、資源国通貨売り・ユーロ買いが続いたため下値は広がらず、終盤にかけては1.29台前半でもみ合った。ポンドドルは1.54ちょうど付近から1.5278辺りまで下落した。ドルカナダは1.0413辺りから10557辺りまで上昇。米景気不安が拡大していることでカナダ売りが続いたほか、ユーロカナダは4月20日以来の高値圏までユーロ高・カナダ安推移した。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【ロンドン市場】ドル円、87円割れ、ユーロドル1.30台
16日前半のロンドン市場、ユーロが強い動きとなり、一方でドル売りから、ドル円が崩れる展開となった。ロンドン時間に発表になったバンカメやGE、シティグループなどの決算は予想を上回る内容となったものの反応はない。足元の良好な企業決算も、米経済への先行き不安が市場を席巻し始めているようだ。ドル円はサポートされていた87.00の水準をブレイクし、ストップを巻き込んで一気に86円台半ばに下落している。一方、ユーロドルは1.30台に上昇している。クロス円はドル円の崩れを嫌気して売りが強まった。
直近の弱い米経済指標、そして、今週のFOMC議事録時のFRBの慎重姿勢が、逆に市場の不安感を煽ってしまったのかもしれない。一方で、欧州ストレステストは問題なく通過するとの期待感が高まる中、ユーロの買い戻しが強まっている状況。ユーロドルの巻き戻しに、背中を押しそうな雰囲気が作られている。
◆豪ドルも上値重い テクニカル的には一旦様子見の雰囲気も
豪ドルは下げが一服していたものの上値は重い。ドル円が87円をブレイクして崩れたことから、豪ドル円の売りが圧迫。日本の個人投資家に人気の高い通貨だが、東京勢の売りに関しては明日からの3連休や、一部では8月から始まるレバレッジ規制の影響も材料視されていた。思ったほど無いとの指摘も聞かれるが。
今週は中国の経済指標が弱かったことをきっかけに上値が重くなり、豪ドル/ドルのローソク足は、昨日、一昨日と2日間続けて直近のトレンドの終了を示唆する「寄引同時線」を描いている。モデル系ファンドの売りも観測されていたが、テクニカル的には、一旦利益確定を入れ、様子を見たいい雰囲気ではあるようだ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
【東京市場】日経平均大幅安、ドル円87円割れ
16日の東京市場は、株式市場が軟化したことで円高の推移となった。日経平均は寄り付き直後から100円安となり、午後の取引では200円超の大幅安となった。前日の海外市場での弱い米経済指標の発表でドル円が下げたことが地合いを悪化させた。アジア株も午前の取引で上海総合指数が1%安となった。円高の動きと株安が相互作用し、スパイラル的な動きとなっている。ドル円は87円台半ばからじり安となり、午後には87円を割り込む動きとなった。クロス円も売りが優勢。ユーロ円は113円台から112円台前半へ、ポンド円は135円台から134円手前まで水準を下げた。昨日のドル安の流れをリードしたユーロドルも1.29台半ばから1.29台前半へと小幅に調整された。来日中のフィヨン仏首相は、ユーロ相場の水準は欧州の経済状況に見合う、と述べた。また菅首相との会談では、財政再建と成長の両立が重要との認識で一致した。また、ラッカー・リッチモンド連銀総裁の講演内容も伝わったが市場は反応薄だった。
◆リスク回避、資源国通貨軟調
豪ドルやカナダドルなど資源国通貨が軟調に推移した。前日の海外市場では米国債利回り低下によりドル安の圧力が優勢な面があったが、きょうの東京市場では株安・通貨安のリスク回避パターンが強まった。豪ドル円は77円台半ばが重く、76円手前へと下落。豪ドル/ドルは0.88台前半から0.87台半ばへと水準を下げた。カナダ円は84円台前半から83円台半ばへ下落。ドルカナダは1.03台後半から1.04台前半へと水準を上げた。カナダドルは米ドル以上に売られており、米景気減速への懸念が色濃い。また、豪州関連では、ギラード首相が8月28日に総選挙を実施するとの発表を17日午前に行なう見通しとの報道があった。温家宝・中国首相は適度に緩和的な金融政策を堅持すると述べたが中国株は軟調に推移。リスク回避の圧力は弱まっていない。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【NY市場】ドル安、弱い米経済指標に焦点
15日のNY市場ではドル安基調が継続。この日発表された米経済指標は強弱ミックスだったものの、昨日FRBが米景気見通しを下方修正した流れから、弱い結果がクローズアップされ、ドル売りにつながった。ユーロドルは5月10日以来となる1.29台へ上昇。ポンドドルは4月27日以来の高値をつけた。ドル円は軟調に推移。資源国通貨に対するユーロ買い戻しが加速し、ドルカナダはドル高に振れたものの、オセアニア通貨は対ドルでしっかり。NZドルはミルク価格の上昇に支援され、この日の高値を更新した。豪ドル/NZドルは年初来安値を更新。クロス円は強弱まちまち。カナダ円は軟調だったものの、ユーロ円、ポンド円、NZドル円は底堅かった。
この日発表された米経済指標では、NY連銀とフィラデルフィア連銀が発表した製造業景況感指数が予想を下回ったほか、米生産者物価指数も弱かった。米鉱工業生産指数は市場予想に反して前月比プラス。米新規失業保険申請件数は市場予想以上に減少した。
◆ドル相場が主体、クロス円は強弱まちまち
ドル円はJPモルガンの決算発表後、88.26辺りまで円安に振れた後、弱い米経済指標を受けて87.25辺りまで下落した。下げ一服後は87円台中盤でもみ合った。クロス円は高安まちまち。ユーロ円やポンド円はユーロドルやポンドドルの上昇にサポートされたが、カナダ円はNY序盤に2円超下落した。ユーロ円は113.37辺りまで上昇後、112.23辺りまで押し戻される場面もあったが、米主要株価指数が次第に下げ幅を消し、113円台序盤まで水準を切り上げた。カナダ円は対主要通貨でのカナダ売りの中、85.79辺りから83.52辺りまで急落した。売り一巡後は84円台中盤まで小幅に戻した。
ユーロドルは1.28台中盤から1.2945辺りまで上昇した。弱い米経済指標を受けたドル売りや、ユーロ買い戻しの流れに後押しされ、5月10日以来の高値を更新。ポンドドルは、ユーロポンドの反落や、一時120ドル超下落したダウ平均が下げ幅を消したことを受けて、1.53台中盤から1.5471辺りまで上昇した。4月27日以来の高値をつけている。ドルカナダは、ユーロ買い・カナダ売りが加速したことで、1.0282辺りから1.0442辺りまでドル高・カナダ安推移。原油が一時1ドル超の下げ幅となったこともカナダを圧迫した。終盤にかけては1.04ちょうど前後でもみ合った。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【ロンドン市場】JPモルガンの好決算受け、欧州通貨買い戻し加速
15日前半のロンドン市場は欧州通貨買いが強まった。序盤はアジア株が軟調に推移したこともあり、欧州通貨は売りが先行したものの、売りが一巡すると、再び買い優勢の展開となった。その後、JPモルガンが好決算を発表したことで、さらに買いが加速し、ユーロドルは1.28台に上昇している。JPも決算で雰囲気の改善も見られ、円売りの動きも優勢となった。ユーロ円は113円台に上昇している。
一方、ドル円は上値の重い展開となり、一時88円を割り込む場面も見られている。
◆10日線の攻防がポイントか
ドル円は一時88円を割り込む場面も見られた。87.85より下にはストップも観測され、再度、狙いに行くか注目される状況。
JPモルガンの決算で、市場の雰囲気はやや回復していたものの、ドル円の上値は重い。前日のFOMC議事録で、FRBの慎重姿勢が示されたことから、米利上げ期待が更に後退し、ドルが圧迫されていることも、ドル円の重石となっている。
10日線が88.15付近に来ているが、それをブレイクしており、現在はレジスタスに変化する気配も見せている。ただ、この付近を回復できるようなら、88円割れ後の動きを見た限り、また逆の展開も開けそうだが。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
【東京市場】中国指標を境にムード好転も、円高水準で推移
15日の東京市場は、GDPなど一連の中国経済指標が注目された。発表までは警戒感が広がり株安・円高の動きが優勢だった。中国紙が中国経済が下半期に予想より大幅に減速する可能性、と報じたことが嫌気された。しかし、日本時間11時の発表後は不透明感が払拭されて円売りの反応がみられた。豪ドルがいち早く買われたほか、各主要通貨にも円安の動きが広がった。ただ、各通貨の値動きは往来相場の範疇に留まっており、水準自体は前日NYクローズからほとんど変わっていない。中国指標はGDPがやや減速、消費者物価が予想を下回るなど落ち着いた内容だった。日銀は政策金利を据え置くとともに、展望リポートで2010年度の成長予想を上方修正した。ただ、市場は反応していない。
ドル円は88円割れを警戒するムードがあり、午後には一時88.01レベルと前日NY安値を下回る水準まで軟化したが、88円台前半での振幅に留まっている。大きく振幅したのが豪ドルで、中国経済指標動向で神経質に反応した。豪ドル円は早朝の78円台前半から発表前には77円台前半まで下げた。しかし発表後は再び78円を回復する動き。ただ、株式市場の戻りが鈍く、午後には再び77円台後半へ下げている。豪ドル/ドルは0.87台後半から0.88台半ばでの上下動だった。その他主要通貨も神経質な振幅となった。ユーロ円は112円台、ポンド円は134円台を中心に上下動。ユーロドルは1.27台半ば、ポンドドルは1.52台での取引に留まった。全般的にみると、各通貨とも前日NY市場のレンジ内での取引に終始している。全般的には前日のNY市場のムードを引き継いで、やや円買いが優勢だった。
◆中国、成長ペースがやや鈍化、インフレも予想下回る
中国の上半期GDP成長は11.1%、第2四半期GDP成長は10.3%と前回の11.9%からやや鈍化した。中国国家統計局は、GDPの伸び鈍化について、比較対象の数字が高かったこと、引き締め策などを原因としてあげている。また、積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策を維持する、インフレは緩やかで制御可能、などと表明して市場の利上げ懸念は後退している。不動産に関しては、不動産価格の上昇の勢いは落ち着いてきた、不動産市場の引き締め措置は短期的には経済に大きな影響及ぼさず、とも表明している。6月の消費者物価指数は前年比+2.9%と前回の3.1%から予想外に低下していた。これらの発表をうけて、市場の過度の不安感は一掃されていった。ただ、中国株は小幅に下落しており、中国経済の成長ペースの鈍化を懸念する声もあった。
◆豪首相、豪経済は他の諸国より良い状況
ギラード豪首相は記者会見で、豪経済は他の諸国より良い状況、強い経済が基本、豪州は依然として厳しい状況、強い財政黒字基調が必要、政府は財政規律の持続を、世界経済には高い不透明感がある、豪中銀は2-3%のインフレ目標を維持すべき、などと述べた。しかし、中国のGDPがやや鈍化するなど豪経済にはネガティブなニュースもあり、首相発言は豪ドル買いにはつながらなかった。
【NY市場】米小売売上高弱い、米景気見通しも下方修正
14日のNY市場では、米FOMC議事録を受けて円売りが後退した。NY午前、弱い米小売売上高を受けても円売りやドル売りが優勢となる場面もあったが、午後に入ると米FOMC議事録で米景気見通しが下方修正され、リスク回避の動きが表面化した。一時5月11日以来の高値をつけたユーロドルも上値を圧迫された。円相場はこれまでどおり、米株価指数をにらんで上下。ただ、弱い米小売売上高に続き、米景気見通しの下方修正と、弱い材料が重なったものの、決算シーズンの出足が好調なため、米主要株価指数は高安まちまちで引けた。
この日発表された米FOMC議事録では、米経済成長見通しが下方修正された。物価見通しについても、一部でデフレリスクを認識するメンバーもあった。FRBのスタッフ予想では、2010年の米成長率見通しは3.0%-3.5%とされ、前回発表の3.2%-3.7%から下方修正された。同年の米失業率見通しは9.2%-9.5%とされ、前回の9.1%-9.5%から下限が引き上げられた。
◆ユーロドル、5月11日以来の高値
ドル円は88円台中盤から88.06辺りまで下落。弱い米小売売上高を手掛かりに88.18辺りまで軟化した後、米株式市場がしっかりとした動きを見せるとクロス円に支えられ、88.65辺りまで水準を切り上げた。米FOMC議事録で米景気見通しが下方修正されると、88.06辺りまでドル安・円高推移した。クロス円はNY午前こそ円売りが優勢となったものの、午後は値動きが反転した。ユーロ円は112.085辺りから113.21辺りまで反発した後、112円台前半へ押し戻された。ただ、終盤にかけて米株式市場が下げ渋ると、ドル円、クロス円ともに水準を切り上げた。
ユーロドルは1.2750のオプションバリアーを突破し1.2777辺りまで上昇、5月11日以来の高値をつけた。フィックスにかけたドル売り観測や、米銀のユーロ買い・ドル売りの噂もあった。資源国通貨に対するユーロ買い戻しの動きもユーロドルをサポート。ただ、上げ一服後は1.27台前半へ押し戻された。ポンドドルはロンドン市場からの流れを引き継ぎ、1.52ちょうど辺りから1.5296辺りまで水準を切り上げた後、1.52台中盤で推移。ドルカナダは1.03台後半から1.0284辺りまでドル安・カナダ高に振れた後、1.03台中盤まで反発。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【ロンドン市場】リスク選好の動き一服で利益確定の動き
13日のロンドン市場、円相場は利益確定の動きが優勢となった。ドル円は89.00付近から88.50近辺まで下落し、ユーロ円も113円台から112.50近辺まで下落している。特に悪材料があったわけではないが、欧州株も利益確定に押されており、その流れが円相場にも出た格好。ユーロも上値が重い展開。1.27台を復帰したものの利益確定売りが優勢となった。
◆ポンド堅調、英雇用統計の結果にポンド買い
全体的に利益確定の雰囲気が強かったが、その中でポンドの強さが比較的目立った。きょう発表になった6月の英雇用統計は失業率が4.5%で、失業者数は2万800人減少。ほぼ市場の予想通りではあったものの、前回よりから改善が示されており、ポンド買いを誘発した。ポンドドルは1.5290近辺まで一時上昇している。
アブダビ投資庁によるBPへの出資の観測や、香港の李嘉誠氏率いる長江実業グループによるフランス電力公社(EDF)の英事業に対する40億ポンドの買収などM&Aに関する話題がポンドをフォロー。ただ、一方で巨額の英公的債務に対する懸念は重石。インディペント紙によると、英政府の公的債務は4兆ポンド(540兆円)に上るとの試算が英国家統計局(ONS)から出ている。内訳は将来の年金に対する支払いが1.1~1.3兆ポンド。教員、公務員、国民健康保険職員に対する年金が0.77~1.2兆ポンド。金融機関への介入に伴う費用が1-1.5兆ポンド、その他、原発の廃棄費用などがあげられている。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
【東京市場】株高で円安の動き、値幅は限定的
14日の東京市場は、株高・円安のリスク選好の動きが広がった。前日のNY株式がアルコアの決算を受けて大幅高となったことに加え、取引終了後に発表されたインテルの決算も良好だった。市場には今週の一連の米主要企業決算への期待感が強く、日本株、アジア株ともに全面高の様相を呈した。日経平均は序盤から一気に200円超の上昇となった。為替市場は前日の流れを引き継いで円安が進行した。ドル円は89.10台に乗せる場面もあり、12日の高値水準にほぼ並んだ。クロス円も一段高で、ユーロ円は113円台乗せ、ポンド円は一時135円台後半まで高値を伸ばした。リスク選好で買われ易い資源国通貨も上昇、豪ドル円は79円手前、カナダ円は86円台半ば値と買い進まれた。ただ、仲値公示後からは次第に値動きが鈍り、高値水準での揉み合いが続いた。
◆NZ小売売上高は期待はずれ、NZドル売りの反応
早朝に発表された5月のNZ小売売上高は前月比+0.4%(予想+0.5%)と前回4月の-0.3%からプラスの伸びに転じた。ただ、自動車を除いた前月比が-0.2%(予想+0.6%)と予想を大幅に下回る期待はずれの結果となっている。前回値も-0.2%だった。発表直後の反応はNZドル売り。その後もNZドル/ドルは上値が重い展開。NZドル円は株高の動きで一時64円台乗せとなったが、概ね63円台後半での揉み合いが続いた。なお、これに先立って発表された6月のREINZ住宅販売は前年比-24.3%と前回の-17.2%から一段とペースダウンしたが、これにも反応薄だった。住宅価格の上昇が販売の足を引っ張ったようだ。
◆英消費者信頼感は63、09年6月以来の低水準
朝方に発表された6月英ネーションワイド消費者信頼感は63となった。2ヶ月連続の低下、2009年6月以来の低水準だった。市場予想は62、前回値は65から66へと上方修正された。しかし、ポンド売りの反応はほとんどみられず。ポンドは引き続き海外市場からの堅調地合いを維持している。ポンドドルは1.52台前半へと水準を上げている。ただ、弱い結果がロンドン勢に蒸し返される可能性も留意しておきたい。
◆豪財務相、成長見通しを下方修正
スワン豪財務相が財政見通しについて発表している。2010-11年の経済成長は3%に(前回予測は3.25%)、2011-12年の経済成長は3.75%に(前回予測は4.0%)、2011-12年の失業率は4.75%に、2010-11年のCPIは2.75%に(前回予測は2.5%)としている。また、2010-11年の財政赤字は400億豪ドルに(5月時点では408億豪ドル)、2012-13年には31億豪ドルの財政黒字に、としている。財政赤字の見通しはやや縮小されたが、成長見通しは引き下げられた。序盤の豪ドル買いの勢いは次第に弱まっている。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【NY市場】リスク選好、ユーロドルは約2ヶ月ぶりの高値
13日のNY市場は、円安・ドル安。株高・資源高の中、欧州通貨高の動きが先行した後、オセアニア通貨にも買いが入った。ロンドンフィックスにかけて円買いが強まる場面もあったが円相場の方向感は左右せず、米株式市場の通常取引終了後に発表されたインテルの決算発表を受けて、クロス円は上値を伸ばした。ドル円もクロス円にサポートされ底堅かった。
昨日、中国のスペイン債購入が伝えられたほか、この日のギリシャ債入札が無難な結果だったことで、対主要通貨でユーロのショートカバーが強まった。ユーロドルは約2ヶ月ぶりの高値をつけた。格付け会社ムーディーズがポルトガルを格下げした余韻もなく、ユーロポンドはロンドン早朝の水準に往来。資源国通貨売り・ユーロ買い圧力が一服すると、豪ドル/ドルやNZドル/ドルは上値を伸ばし、NZドル/ドルは5月11日以来の高値をつけた。
◆クロス円堅調、インテル決算で円売り加速
ドル円はロンドンフィックスにかけて88円台中盤から88円ちょうど辺りまで軟化。円買い一巡後は、堅調なクロス円にサポートされ、88円台後半まで戻した。ユーロ円は対主要通貨でユーロが買われた中、111円ちょうど辺りから112.50辺りまで上昇し、この日の高値を塗り替えた。ポンド円は133円台中盤から134.24辺りまで堅調に推移。決算発表を行った米半導体大手のインテルが時間外で急伸すると、ユーロ円は112.89辺りまで、ポンド円は134.70辺りまで円売りが勢いづいた。
ユーロドルは、ショートカバーが強まったことで1.25台中盤から1.2738辺りまで上昇し、約2ヶ月ぶりの高値をつけた。ポンドドルはロンドン市場からの流れを引き継ぎ、1.51ちょうど辺りから1.5191辺りまで堅調に推移した。終盤にかけてユーロドルは1.27台序盤、ポンドドルは1.51台後半を中心に小動きとなった。ドルカナダは1.03台前半から1.0275辺りまでドル安・カナダ高推移した後、1.0366辺りまで値動きが反転。その後は1.03台前半で値動きは落ち着いた。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【ロンドン市場】ポルトガルの格下げとギリシャ入札で上下動
13日のロンドン市場はユーロの上下動が目立った。序盤は売りが先行する。ムーディーズがポルトガルの格付けを「AA2」から「A1」に2段階引き下げ、見通しは安定的としたことが売り材料。ユーロドルはサポートされていた1.2550水準をブレイクし1.25台前半まで下落した。しかし、今度は警戒されていた、ギリシャの26週物(6ヵ月)財務省証券の入札が無難に通過したことを好感して、一気に巻き返している。
応札倍率が3.64倍と前回(7.67倍)を大きく下回り、落札利回りは4.65%と前回(4.55%)を上回ったものの、16.25億ユーロの発行を無事消化したことから、安心感が広まったようだ。
一方、円相場は、ユーロ円下落が牽引して円買いが強まったが、NY時間にかけて下げが一服している。
◆やや過剰反応だったか
ムーディーズはポルトガルの格付けを「AA2」から「A1」に2段階引き下げ、見通しは「安定的」とした。引き下げの理由は中期的な財務悪化への懸念と説明。構造改革が中長期的に実を結ばないかぎり、低成長が続く可能性が高いとしている。ただ、今回の格下げは4月にS&Pが変更した格付けと同水準にあり、また、この先の格付け見通しは「安定的」としていたことから、ムーディーズの今回の格下げは、ある程度、想定内とも言える。ポルトガル政府も、市場は今回のムーディーズの決定を事前に予想していたとし、逆に見通しを安定的に据えたことに対して、政府計画への信頼を示すと述べていた。序盤のユーロ売りの反応は、やや過剰だったとも言えそうだ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
【東京市場】株式にらんで円相場が振幅
13日の東京市場は、株式動向をにらみながら円相場が振幅した。序盤は米アルミ大手アルコアの決算が予想以上だったことを好感して米株先物や日経平均が上昇した。ドル円は88円台後半、ユーロ円は112円台乗せへと買い進まれた。しかし、仲値公示を過ぎたあたりから買いの勢いは落ち着く。中国株が軟調に始まると次第に円買いが優勢となる。上海総合指数は約2%安、後場には日経平均も下げに転じた。ドル円は一時88.50割れ、ユーロ円も111円台前半まで反落し、早朝の水準を割り込んだ。豪ドル円は株式動向に大きく影響された。78円近辺へと高値を更新した後は77.20割れまで反落するなど振幅の大きい動きだった。NAB企業景況感が改善したものの、同企業信頼感はやや悪化するなど経済指標には反応しにくい結果だった。
株式市場では、アルコア決算を皮切りとする米主要企業決算への関心が高まっている。序盤は素直な反応がみられたものの、次第に米大手銀行の決算発表を控えて調整を先行させるムードが広がっている。また、中国に関しては住宅規制に加えて銅や鉄鉱石輸入に関する制限などの報道があったことも警戒感を強めている。
◆ポンドは値動き少ないが材料は豊富
ポンドドルは1.50台前半での揉み合いが続いており値動きは少ない。ポンド円もほぼユーロ円の上下動に沿った動きとなり、独自の動きをみせていない。ただ、朝方には英国の経済指標が発表されている。6月英RICS住宅価格指数は9%と市場予想20%および前回5月21%(改定前22%)から大きく落ち込んだ。11ヶ月来の低水準となった。一方、同時刻に発表された6月の英BRC既存店売上は前年比+1.2%、総店舗売上は+3.4%と好調だった。ワールドカップ効果があったようだ。この後のロンドン市場でどのように蒸し返されるのか注意しておきたい。加えて英消費者物価、小売物価の発表やセンタンス委員の講演が予定されており、ポンド相場に活気が戻りそうだ。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【NY市場】S&P、英格付け見通しをネガティブで据え置き
12日のNY市場ではポンド売りが入った。格付け会社S&Pが英格付け見通しをネガティブで据え置いたことが背景。S&Pは、英国の純政府債務負担は「AAA」格付けにそぐわない水準に達する可能性がある、とコメントした。金や原油など主要なコモディティが下落したことでカナダも売られた。ただ、目立った値動きは序盤のみで、午後は非鉄大手のアルコアの決算発表を控えて、様子見ムードが強まった。米株式市場の方向感も乏しく、円やドルの値動きも限定された。
この日、格付け会社S&Pは、英国の「AAA」の格付けを確認した上、格付け見通しをネガティブに据え置くと発表した。先月発表された英予算案が格付けの維持を目的の一部としていただけに、格付け見通しがネガティブとされ、ポンド売りを誘う結果となった。
通常取引終了後に発表されたアルコアの決算内容は、一株利益が0.13ドル、売上高が52億ドルと、それぞれ市場予想を上回った。時間外でアルコアは上昇したものの、円相場の反応は限られた。
◆円相場、株式市場眺めて方向感無し
ドル円は88.37-69辺りでもみ合い。米株式市場で売りが一時強まった場面では円買いの反応が見られたものの、その後は88円台中盤で小動きだった。ユーロ円は111.13-62辺りで膠着。ポンド円はNY序盤に133.75辺りまで戻した後、格付け会社S&Pが英格付け見通しをネガティブで維持すると発表したことで132円台後半まで反落。その後は133円ちょうど前後でもみ合った。
ユーロドルは1.2555-98辺りで推移。ユーロ売り・ポンド買いが反転したものの、米株式市場に方向感が無い中、狭いレンジ無いで取引された。ポンドドルは1.5086辺りまで反発した後、格付け会社S&Pのコメントを受けて、1.4994辺りまで押し戻された。終盤にかけては1.50台序盤で小動きとなった。ドルカナダは資源安を受けて、1.0310辺りから1.0385辺りまでドル高・カナダ安推移。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【ロンドン市場】調整の動き
12日前半のロンドン市場、序盤はドル買い・円買いの動きが強まった。特段の材料は無かったが、欧州ストレステストの結果や米企業決算に向けて調整の動きが出たようだ。
ドル買いの動きで、ドル円は東京時間に89円台を回復していたものの、クロス円での売りに押され、結局、88円台に戻している。一日を通じて、往って来いの動き。ユーロ円は111.20近辺まで下落し、ユーロドルは1.2550近辺まで一時下落した。
◆序盤にポンド売り強まる
序盤の動きで目立ったのがポンド売り。対ドルのみならず、対ユーロでも下落。きょう発表になった第1四半期の英GDP確報値が予想通り修正なしだったことや、経常収支が予想を下回ったこともポンド売りを誘発した面も。両指標は発表が本日に延期されていた。一部では上方改定もあるのではとの期待もあったようだが、何も無かったこともあり、失望感も出ていたようだ。
ただ、基本的にはポンドを売るための都合の良い材料の範囲。NY時間が近づくと、対ユーロでの利益確定のポンドの買戻しが加速し、一気に下げを取り戻している。
◆マイナスと受け取るのは早計か 絶対は無い
ユーロドルは1.2550近辺まで下落し、直近の上昇の調整の動きが出ていた。
一部にはきょう発行予定の独シュピーゲル誌の記事が引き金になっているとの見方も出ている。それは、ストレステストにおいて、最悪の場合、ドイツ債に一定の条件でヘアカット(担保の掛け目)を適用するというもの。2.3%割り引くとの情報も出ているという。
当初はドイツ債の評価に対するヘアカットはゼロと伝わっていたが、もし報道の通りであれば、銀行の資産評価は想定以上に下がるのは必至。しかし、逆に厳しい条件を課すことでもあり、その姿勢はストレステストに対する信頼性を向上させる面もあろう。ドイツ債にヘアカットを課すことが、一概にマイナスと受け取るのは早計のようにも思われる。絶対は無い。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
