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FX為替市場レビュー
【ロンドン市場】欧州株が反発、リスク回避一服
26日のロンドン市場、前半の取引は欧州株が反発したことで、リスク回避の動きが一服した。
25日のNY株式市場での下げ渋りの動きを受けて、26日の各国株式市場も下げが一服した。欧州株は序盤から堅調にスタートし、各主要株価指数が2-3%高へと上昇している。この動きが為替市場にも次第に波及し、特に資源国通貨に買い戻しの動きが目立った。豪ドル/ドルは0.82台前半から0.83台乗せ、豪ドル円は74円台前半から75円台乗せ、ドルカナダは1.07台半ばから1.06台半ばへ下落、カナダ円は83円台後半から84円台後半へと上伸した。ただ、欧州通貨の上昇は比較的穏かで、ユーロドルは1.23台前半、ユーロ円は111円台半ばまでに留まっている。ドル円は90円台前半での方向感に欠けた揉み合いに終始している。
リスク回避一服は株式市場の売られ過ぎ感による自律的な買戻しが中心。その他には、OECD世界経済見通しが上方修正されるなど、世界経済の持ち直し予想が報じられたことが挙げられよう。中国など新興国の成長が世界を牽引する一方、ユーロ圏の成長は相対的に低調な見通しだった。しかし、ドルLiborが引き続き高水準で推移していることや、南欧諸国とドイツとの国債利回り格差がなかなか縮小しない点など、いまだに本格的な不安払拭には至っていない状況だった。また、ガイトナー米財務長官が英国を訪問中で、オズボーン英財務相との話し合いの内容についての報道待ちのムードもあった。
◆スイスフランが堅調
方向性がハッキリしないユーロやポンドに対してスイスフランは堅調に推移した。ユーロスイスは1.42台半ばから1.41台後半へ、ポンドスイスは1.67近辺から1.66割れへと下落している。スイスフランは有事のスイス買いなどと言われ、スイス永世中立国であることから逃避通貨として知られる存在。今週は北朝鮮情勢の緊迫化で買われ易い地合いになっている。同じく安全資産である金相場も堅調に推移した。ただ、ユーロスイスが急落するようだとスイス中銀によるスイス買い観測も留意しておきたい点ではある。
◆英インフレ期待が高まる
ユーガブとシティによる調査によると、市場での英インフレ期待が2008年以来の高水準へと高まっている。5月の年率インフレ期待は2.8%と4月の2.2%から大きく上昇している。4月の英消費者物価指数が前年比3.7%だったことや、さらなる付加価値税(VAT)の引き上げが見込まれていることが材料となっている。ただ、ロンドン市場でのポンド相場は神経質に動くものの方向性には欠けた展開。ポンドドルは1.43台前半に下げた後、1.44台乗せへと振幅。ポンド円も129円近辺から130円台前半への振幅だった。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【東京市場】不安定、欧州の不透明感続く
26日の東京市場はドル円、クロス円が神経質に振れた。早朝はNY株式市場が下げ渋ったことを好感。リスク選好のムードが醸成され、ドル円は90円台半ば、ユーロ円は111円台後半、豪ドル円は74円台後半とNY市場終盤の円安水準で取引された。ただ、その後は欧州の財政問題に対する不透明感でユーロが軟化。ユーロ円は110円台半ばまで売られ、ドル円は90円付近、豪ドル円は73円台後半まで反落した。値ごろ感で中国を除くアジア株が買われるとドル円、クロス円は値を戻したが、反発は一時的だった。ユーロドルは1.22台後半まで値を崩し、東京市場で100ポイント近い下げ幅を記録した。
兎にも角にもユーロ売りというのが市場の本音のようだ。ユーロ安はユーロ圏が輸出競争力を確保する上で有効。各国が財政再建を強化、金融政策が限界に近づいているユーロ圏にとって唯一の政策オプションかもしれない。秩序だったユーロ安であれば重債務国のほか、輸出大国であるドイツも歓迎するだろう。インフレ懸念が乏しいため、通貨介入権を持つECBも秩序だったユーロ安を容認する可能性が高い。ECBは2000年9月22日、11月3日にユーロ買い介入に踏み切ったが、介入初日のユーロドルは0.86台とパリティ(1.00)を割り込んでいた。
◆出口戦略は後退、豪利下げ観測も
欧州の債務危機が各国の出口戦略に影響を及ぼしている。今週実施された米中戦略経済対話では朝鮮半島情勢の緊迫化や欧州の財政問題が最優先課題とされ、人民元改革を巡る協議は片隅に追いやられた。オフショア市場では人民元切り上げ観測が後退、金融市場の混乱に配慮して人民銀行は金融引き締めを見送るとの見方が浮上している。主要国でいち早く利上げに踏み切った豪州も例外ではない。
金利先物市場では豪中銀が今年半ばに利下げに踏み切る可能性も浮上しており、利上げは来年までないとの見方がコンセンサスになりつつある。米国も同様。春先まで優勢だった年後半の利上げ説は完全に鳴りを潜めている。出口戦略の後退(≒利上げ期待の剥落)で円が買われるのは必然なのかもしれない。主要国、新興国とも景気は回復基調にあるが、市場は欧州の財政問題が世界経済を直撃すると警戒感を強めているようだ。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【NY市場】株価とともにリバウンドの動き
25日のNY市場はリバウンドの動きが優勢となった。欧州に対する警戒感は依然として根強いものの、値ごろ感からの買戻しも入っている。相変わらずの株式にらみの展開だったが、NY株式市場でダウ平均が寄り付き直後の290ドル安から22ドル安まで下げ渋った動きに呼応して、ドル円、クロス円、そしてユーロドルも一本調子の買い戻しを見せた。
ドル円は89円台前半まで下落していたが、89.80のストップを付け、90円台を回復。ユーロドルも安値に顔合わせしたものの、1.23台半ばまで戻している。
◆ユーロ そろそろ水入りも欲しいところ
NY時間に入ってユーロドルはリバウンドの動きが優勢となった。ロンドン時間には一時1.22を割り込み、先週の安値を目指す動きも見られたが、NY時間にショートカバーが強まっている。
相変わらず売りが続いているユーロだが、モメンタム的には完全に売られ過ぎのサインが出ている。過熱感を示す指標であるRSIは下げ過ぎのラインである30付近に停滞し、また、10日線と21日線の差が300ポイントに達している。今年に入ってからは最大に格差が広がっている状況。長期的には下げトレンドを続ける見方が根強いが、短期的には、そろそろ水入りも欲しい水準ではある。
◆むしろ利下げの心配も
一部ではECBに0.5%の利下げ案が遡上に上っているとの憶測も出ていたようだ。真偽は確かではない。また、豪中銀の政策委員会が6月1日に予定されているが、利下げの確率も出始めている。欧州系金融機関が算出している利上げの確率はマイナス20%程度(利下げ20%)
まで低下している。利上げよりも、むしろ利下げを心配する向きが増えているようだ。
この場面での利下げは、景気回復の頓挫を示すシグナルを送るようなものであり、ポジティブな効果があるかどうかは甚だ疑問。実施される可能性も小さいだろう。
目前の資産価値の急落に、先行きに対する疑心暗鬼が強まり、このような事態も台頭してくるようだ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
【ロンドン市場】欧州株売られ、ドル買い・円買いに
25日のロンドン市場は、欧州株が大幅安となったことでドル買い・円買いの動きが広がった。
序盤はアジア株が大きく下げたことを受けてリスクに敏感な資源国通貨が先行して売られた。昨日から引き続きスペイン貯蓄銀行救済の報道が金融株を圧迫したことに加え、北朝鮮関連の緊迫度が増したことが韓国株などアジア株安を招いた。欧州株も大きく値を下げて始まると売りの勢いがユーロへと移行していった。金融不安やアジアでの地政学的リスクが重なり、リスク回避の動きが増した。主要国の債券買いが進んだほか、原油市況が崩れた。また、銀行間短期金利である3ヶ月物ドルLiborが引き続き上昇している。
ユーロドルは1.23近辺から1.21台後半まで、ユーロ円は110円台から109円割れまで下落した。ユーロ円は2001年11月以来、8年半ぶりの安値水準に達している。また、豪ドル/ドルは0.82近辺から0.80台後半まで下落、ドルカナダは1.07近辺から1.08台半ばまで上昇する場面があった。豪ドル円は一時72円近辺、カナダ円は82円台前半まで下げている。ドル円は89円台前半までの下押しだった。原油は一時67ドル台前半まで下げた。NY勢の参加を控えて下げ一服の動きもみられているが、戻りは限定的。
◆好指標結果もリスク回避に呑み込まれる
きょうは英1-3月期GDP改定値が発表された。前期比+0.3%、前年比-0.2%とそれぞれ速報値から0.1%ポイントの改善となった。ただ、市場の事前予想通りの結果とあって、ポンドの反応は限定的だった。また、ユーロ圏では3月のユーロ圏製造業新規受注が発表されている。前月比+5.2%、前年比+19.8%といずれも予想を大きく上回る結果だった。ユーロ買い材料となりそうだが、反応しなかった。経済指標の好結果には市場は全く反応しなかった。リスク回避の根深さが感じられる動きだった。ただ、独政府が空売り規制の対象を全株式に広げる提案が伝わるとユーロやポンドに下げ渋りの動きがみられている。市場の注目はもっぱら株式動向に注がれているようだ。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【東京市場】悲観論一色、株安で円高・ドル高
25日の東京市場は悲観論一色に染まった。日経平均は300円超下落、これに飛びつく形でユーロ円は111円台半ばから110円台前半、豪ドル円は74円台半ばから73円台半ば、ドル円は90円台前半から89円台後半まで下げた。ドル円以外ではドル高が進み、ユーロドルは1.23台半ばから1.22台後半、ポンドドルは1.44台前半から1.43台前半まで下げた。スペインの貯蓄銀行カハスールの公的管理、朝鮮半島情勢の緊迫化など不安材料は尽きない。
消去法的に円が買われやすい状況にあるようだ。朝鮮半島情勢の緊迫化は本来、円売り要因(地政学的リスクの観点で)。ただ、きょうは株安を背景としたリスク回避の円買いに円売りが相殺されていた。NZドル円は60円台半ばから59円台後半まで下落。世界最大の乳製品メーカー・フォンテラは、乳製品買い取り価格を引き上げる計画を発表。酪農大国NZにとってポジティブなニュースが伝わったが、株安などリスク資産圧縮の波に呑み込まれ、NZドルは値を崩している。
◆欧州不安に打つ手なし
市場は欧州の悪材料探しに躍起となっている。きょうはスペインで貯蓄銀行の救済が相次ぎ、欧州の金融システムの脅威になるとの見方が広がっていた。貯蓄銀行の経営難は08年のスペイン不動産バブル崩壊に起因したもの。ある程度予見されていたシナリオだが、市場はこれまで素通りしてきた。公的管理に置かれた貯蓄銀行カハスールの資産はスペインの金融機関全体の0.6%に過ぎない。同様の問題はアイルランドでも発生しているが、今回は欧州の債務危機がテーマとなっていることもあり、タイミングが悪すぎたようだ。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【NY市場】ユーロへの懸念根強い
24日のNY市場、欧州への懸念は根強くユーロは軟調に推移。先週末にスペイン中銀が貯蓄銀行カハスールを管理下に置いたことを材料に、欧州の金融システムに対する不安感が強まっている。株式が中盤下げ渋る場面もあったことから、ユーロも買い戻しが入っていたが、終盤になって、株価が見切売りで下げを加速させたことから、ユーロも下げを加速させた。円相場は、ドル円、豪ドル円などは本日の高値圏を維持していたが、こちらも終盤の株価の下げに値を落とした格好。
今日発表になった米中古住宅販売は強い内容だったものの、反応は限定的だった。
依然としてユーロは売り材料探しの展開が継続だが、ドルキャリーならぬユーロキャリー取引が一部では指摘されている。ユーロの短期金利がドルと接近してきており、ドルを調達通貨とするよりは、ある意味下げ安心感のあるユーロを調達通貨にして、豪ドルなど高金利通貨に投資する動きもあるようだ。
◆米景気回復は無視
市場がユーロの悪材料探しに躍起となっている中、米景気回復の足どりは、しっかりとし始めているようだ。米リース・ファイナンス協会の調査によると、4月の設備投資への貸出が2008年7月以来、約1年9ヵ月ぶりに増加に転じた。きょうの中古住宅販売も強い内容。米景気回復期待は高まる一方だが、今のところ市場は無視。
サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は、健全な成長なくして、健全な財政もないと述べていたが、更に米景気回復に底堅さが出てくれば、よりユーロとの期待感の格差が拡大しそうだ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
【ロンドン市場】リスク回避、再び欧州に視線
週明け24日のロンドン市場、前半の取引はユーロ売りを中心にリスク回避の動きが強まった。欧州株が南欧諸国を中心に下落した。きっかけは22日に報じられたスペインの貯蓄銀行救済のニュース。加えて、同国のゼネストへの警戒感もあったようだ。
早朝の取引は静かに始まった。アジア株が堅調に推移したことでリスク回避は落ち着いたかに見えた。欧州株も堅調に始まったが、次第に金融株主導で売られた。各国株価指数が下げに転じ、独DAX指数は1%超の下落。特に大きく下げたのがイタリアとスペインで、いずれも2-3%超の大幅下落となった。イタリア内閣があすにも緊縮財政策を承認する見込み、との報道もあった。
ユーロドルは1.25台前半での揉み合いから1.23台後半へと下落。ユーロ円は113円近辺から111円台前半へと安値を更新した。きょうは、資源国通貨に対してもユーロは弱く、ユーロカナダは1.32台から1.31台前半へと下落している。リスク回避懸念への視線が再び欧州へと向けられている。一方、ドル円は90円近辺での取引が続いた。
◆オズボーン英財務相、支出削減策を発表へ
オズボーン英財務相は、62億ポンドの支出削減を発表へ、大半は赤字削減に充当、と表明している。これには市場の評価が分かれるところ。財政赤字削減への方策は長期的に歓迎される一方、支出削減は足元の景気浮揚の足を引っ張るとのネガティブな見方もある。英株式市場では英FT指数が軟調に推移、ポンド売りを誘った。ポンドドルは一時1.45台前半へと上昇したが、1.43台後半まで反落。ポンド円は激しく振れたが、131円台から129円台へと水準を下げている。
◆人民銀高官、人民元の変動幅拡大すべき
ブルームバーグによると李・中国人民銀行貨幣政策委員は、人民元の変動幅を拡大すべき、近く人民元政策を変更することは理にかなう、対ドルでの小幅な元高を容認すべき、と述べている。米中戦略対話が25日まで北京で行なわれている中での発言で注目される。ただ、ドル円はこのニュースには反応薄。89.90から90.40レベルの間を神経質に往復している。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【東京市場】株価睨んで往来
24日の東京市場は株式市場を睨んでの取引だった。午前中は日経平均が100円近く下げたことで円高が進行。ドル円は90円台前半から89円台後半、ユーロ円は113円台前半から112円近辺、豪ドル円は75円付近から73円台半ばまで下げた。ただ、金融引き締め観測の後退で中国株が上昇すると円高は一服した。午後には日経平均が一時プラス圏に浮上、この動きに追随する形でドル円は90円台前半、ユーロ円は113円付近、豪ドル円は75円付近まで反発している。韓国が北朝鮮との交易を全面的に禁止する方針を打ち出すなど、朝鮮半島情勢は緊迫の度合いを増しているが、地理的に離れた欧州通貨を買う動きは見当たらなかった。
◆米中対話 欧州危機に配慮、人民元議論せず
きょうから北京で米中戦略対話が開催されている。会談は昨年7月に続き2度目。中国政府高官は、米中は1回目の議論で元を協議しなかったとしている。欧州の債務危機や危機政策からの出口を議論したとのこと。また、出口戦略には慎重になる必要性があるとも述べていた。欧州の債務危機が人民元改革にも影響を及ぼしているようだ。中国の現地メディアは新たな不動産税の導入時期が延期されるとも報じていた(当局はこの報道を否定)。戦略対話は明日25日まで実施される。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【NY市場】株式にらんで振幅
21日のNY市場は、米株式をにらんでの振幅相場だった。この日は米主要経済指標の発表が無く、株式動向が為替相場の鍵となった。
序盤は欧州株安に続いて米株が大幅安で始まった。ダウ平均は一時100ドル超下落して1万ドルの大台を割り込んだ。円買いが強まり、ドル円は89円台前半、ユーロ円111円台後半、ポンド円128円割れまで下落した。しかし、株式市場が売り一巡し、買いが先行する展開となると、円売りが優勢になる。ダウ平均が100ドル超の上昇となるとドル円は90円台半ば、ユーロ円113円台半ば、ポンド円130円台後半までの反発となった。その後は株式市場への反応が次第に鈍り、値動きは収束していった。ダウ平均が引け際に急伸するとやや円安方向へと動いたが、ドル円90円近辺、ユーロ円113円近辺、ポンド円130円台前半などで静かに取引を終えている。
前日までのパニック的な動きと比べると値動きは落ち着いた感がある。米金融改革法案が上院を通過、ドイツ議会が支援策を承認、EU財務相会合で重債務国への制裁強化の方針で合意するなど、市場安定化への動きがあったことも影響したようだ。一方、為替の値動きが後半に鈍ったように、週末を控えての模様眺めともみられ、来週は更なる波乱を警戒する声もあった。
◆ユーロドル1.25台、ジリ高に
ユーロドルの値動きが落ち着いた。東京・ロンドン市場では1.26台後半から1.24台後半まで下げるなど波乱含みの動きだった。しかし、NY市場では1.26近辺までのジリ高となり、値動きは落ち着いた。昨日までにみられたようなECBの介入観測やファンド勢の買戻しのような、強いユーロ買いの動きはみられなかった。
日足のローソク足チャートを観察すると本日の上げで、しっかりと10日移動平均線を上抜けて取引を終えている。1.32レベルから1.21台におよぶ短期下降トレンドから中立へのシグナルとなる可能性がある。目先の上値目標は21日移動平均線のある1.2810レベル。テクニカル的にはユーロドルの下落は一服となる公算が高そうだ。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【ロンドン市場】巻き戻し継続
21日前半のロンドン市場、きょうもNY勢の入り際で激しい動きとなった。欧州株が急速に売られり、株式にらみとなっていた円相場も円買いが加速。ドル円は89円台前半まで下落、クロス円も同様の動きとなった。
一方、ユーロドルは軟調な展開ではあったものの、1.2500の節目は維持している。これまでの「ユーロ売り・ドル買い、資源国通貨買い」のポジションの巻き戻しが継続。
◆EU財務問題の景気への影響は、まだ軽微
きょうは独Ifo景況感指数が発表され、予想を若干下回ったものの、前回からもほぼ変わらず、想定範囲内となった。EU財政問題の発覚直後で、ネガティブな見方も強かったことから、安心感も出ていた模様。Ifoエコノミストのアベルガー氏は、今回の結果からはEU債務問題のドイツ経済への直接的影響は見られないと述べていた。
◆5月の嵐が過ぎ去るのを待つのみか
今年に入って多くの投資家が取ってきた「ユーロ売り・ドル買い、資源国通貨買い」のポジションの巻き戻しが、きょうも続いている。ユーロの財政問題を発端とした世界的な景気回復への不安ということが主な理由となっているようだ。
ただ、毎年5月から6月は巻き戻しの動きが起こることが多い。理由は諸説あるが、ヘッジファンドの中間決算もその一つに挙げられる。特に欧州中心に5月中間決算のファンドも多く、ポジション整理が起きやす月ではある。
幸か不幸か今年はW杯の年でもある。意外に笑い話でもなく、実際、前回2006年のW杯の前も、金融市場はW杯に向けて大きな調整を見せていた。当時はまだサブプライム問題も表面化せず、FRBはインフレを警戒していた時期。その後、市場は上昇軌道に戻している。今回も同じかどうかはわからないが、5月の嵐を過ぎ去るのを、じっと待つのみか。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
【東京市場】バーゲンハントとリスクオフが交錯
21日の東京市場は海外市場からの円買いが後退。菅財務相が、為替の水準は市場が決めることと述べた一方で、急激な円高に不快感を示したほか、豪ドル安・円高が一服したことも背景。豪中銀のスムージングオペの噂もあった。ユーロのショートカバーが継続し、ユーロドルが昨日の高値を上抜いたことも、円安やドル安の動きを強めた。欧州勢のレパトリのユーロ買い観測も出ていた。マイナス圏で推移していた米株価先物も下げ幅を消した。ただ、日経平均株価が年初来安値をつけた上、上海総合株価指数も09年5月以来の安値を更新するなど、昨日の流れを引き継いでおり、基本的にはリスクオフ。
この日、日銀は全員一致で政策金利を据え置いた。声明では、穏やかな景気回復の継続見通しが示された上、極めて緩和的な金融環境を維持していくと再表明された。
◆早朝から一本調子で円安、当局対応に警戒感も
ドル円は89.02辺りから90.36辺りまで、ユーロ円は111.00辺りから114.39辺りまで円安推移。ユーロドルの反発が継続したことや、豪ドルへのバーゲンハンティングの買いが円高圧力を弱めた。円高が急激に進んだことで介入警戒感も高まった。ポンド円も127.72辺りから130.44辺りまで、豪ドル円は71.87辺りから75.51辺りまで戻した。
ユーロドルは欧州系のレパトリ観測の中、ストップを絡めて1.2453辺りから1.2671辺りまで上昇。豪中銀のスムージングオペの噂もあり、豪ドル/ドルは0.8070辺りから0.8364辺りまで反発。ファンドの豪ドル買い観測もあった。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【NY市場】リスク回避の嵐、ドル円一時89円割れ
20日のNY市場は、株安・商品安の動きが強まり、為替市場では円高が進行した。欧州株が下落したことに加えてNY株式市場でも売りが強まった。ダウ平均は序盤に一気に300ドル超の大幅安となった。根強い欧州景気や信用に対する不安感が広がったほか、世界的に金融規制を強める動きにも警戒感が強まった。米経済指標も新規失業保険申請件数が予想を上回ったり、4月の景気先行指数が1年1ヶ月ぶりにマイナスに転じるなどリスク回避を強める材料が山積した。
為替市場ではドル円が90円割れから89円割れへと急落、クロス円もユーロ円が109円台まで、ポンド円が126円台まで売り込まれた。ストップ注文を連発するスピードの速い相場展開だった。また、商品市況も弱く、原油先物は一時8%安の64ドル台まで下げる場面があった。資源国通貨も豪ドル円が72円台半ば、カナダ円が83円割れまで軟化した。
その後、昨日に続いてユーロ買いが強まる場面があり、株式市場も下げ渋る動きをみせたが、引け際にダウ平均が100ポイント急落、376ドル安で取引を終えた。この動きに再び円買いの動きが強まっている。当局者発言は多かったがリスク回避を和らげる内容には乏しかった。
◆ユーロの買戻し強まる
NY中盤にユーロ買いが強まった。ユーロスイスが1.42台から1.44台半ばへ急伸、昨日と同様にスイス中銀の介入観測が広がったが確認情報は流れなかった。この動きに平行してユーロドルは1.24台乗せからストップを巻き込みながら1.26手前まで上伸した。ユーロ円も110円台から113円台後半まで上昇する場面があった。さすがに終盤にかけては米株が一段安となったことで売り戻しも入ったが、ユーロは各主要通貨に対して独歩高の動きが続いた。
市場ではスイス中銀やECBの介入観測が広がったが、ファンド勢に巻き返しとの見方も強かった。5月はファンドの半期決算にあたることからリスクポジションを縮小する傾向がある。これまでユーロ売りを様々な通貨に対して行なってきたポジションを解消するとの見方。折りしも株安、原油安、金安などこれまでのリスクポジションが大幅に痛んでいる状況では、ユーロショートは利益が計上できる数少ないポジションとなっている可能性が高い。今週に入ってからユーロ・オージーは約1500ポイントも上昇した。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
