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FX為替市場レビュー
【ロンドン市場】ポンド、英インフレ態度調査で全面高
11日のロンドン午前はポンドが買われた。この日英中銀が発表した英インフレ態度調査が背景。英消費者の今後1年のインフレ期待は2008年11月以来の高水準となった。英GFKが調査を委託されており、英消費者は今後1年間のインフレ率を2.5%と見通した。前回(11月)の調査では2.4%だった。最近の英中銀のインフレ見通しがあまいとの見方がある中、今後の金融政策についての連想も働いた様子。
ポンド高・ドル安を受けてユーロドルもしっかりと推移。ポンド円の上昇はクロス円に波及し、ドル円でもじりじりと円安に振れた。
◆ポンド円の上昇でドル円にもショートカバー
ドル円は90.31辺りから90.70辺りまで円安推移。ポンド円の上昇にサポートされた。ポンド円は英インフレ態度調査を受けて135円ちょうど付近から136.48辺りまで上昇し、昨日の高値を突破。ユーロ円は123.04辺りから123.88辺りまで水準を切り上げた。
英インフレ態度調査を受けてポンドはドルやユーロに対して上昇。ポンドドルは1.4944辺りから1.5064辺りまで100ポイント超上昇した。ユーロポンドは0.91台序盤から0.9062辺りまでポンド高推移。ユーロドルはポンドドルの上昇にサポートされ、1.3620辺りから1.3667辺りまでしっかり。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【東京市場】円買い優勢、オセアニアと中国の経済指標で
11日の東京市場、円買いの動きが優勢だった。ドル円は90円台半ばから90円台前半へ、ユーロ円は123円台後半から123円手前まで軟化した。ただ、オセアニア発の動きの面が強く、全般には小動き。
前日の海外市場ではリスク選好の動きが広がり、ドル円は90.80レベルまで上伸する場面があった。NY市場終盤には90円半ばへと落ち着いていた。東京市場では中国経済指標を控えてポジション調整色が支配的だった。
早朝に発表されたNZ政策金利は据え置かれ、今後の利上げへのヒントは得られなかった。また、豪雇用統計は雇用の伸びが予想を下回った。NZドルや豪ドルが軟化したことで、クロス円への売り圧力となった。また、引き続き輸出の売り観測もあった。昼前の発表された一連の中国経済指標では、消費者物価指数および生産者物価指数が市場予想を上回る伸びを示したことで、中国の金融引き締め懸念が強まった。中国株が軟調となり、リスク回避的な円買いを誘った。朝方発表された日本の第4四半期実質GDP2次速報値は、前期比年率3.8%と前回から下方修正された。これに対しては市場は反応薄。下方修正は在庫減など一部要因によるとの見方もあった。ユーロドルなどドル相場は、クロス円につれてやや下方バイアスがみられたが、値動きは限定的だった。ユーロドルは1.36台半ば、ポンドドルは1.49台後半での揉み合いだった。
◆オセアニア通貨にトリプルパンチ
東京市場では、オセアニア通貨に悪材料が相次いだ。早朝に発表されたNZ中銀政策金利は大方の予想通り2.50%で据え置かれた。ボラードNZ中銀総裁は、早期利上げには消極的である認識を示した。依然のサイクルほどの利上げは不要、景気回復の兆候を確認する必要があり、様子を見守る余裕がある、とした。NZドルは事前に買い進まれていたことから、失望売りが強まった。
また、豪雇用統計では2月の雇用者数が前月から400人の微増にとどまった。前回1月には市場予想を大幅に上回る5万6500人増だったことから、これも豪ドルに失望売りをもたらした。正規雇用が1万1400人増だったが、非正規雇用は1万1000人減となり全体の伸びを消した。ギラード豪副首相は、一部の州で引き続き高失業の地域がある、と地域格差があることを指摘していた。
一方、中国経済指標は強い数字が相次いだ。市場が注目したのは、物価統計。消費者物価指数は前年比+2.7%、生産者物価指数は同+5.4%といずれも市場予想を上回った。金融引き締めが強まるとの思惑から中国株が軟調に推移。為替市場での円高圧力となった。リスク選好をリードしてきたオセアニア通貨にはトリプルパンチだった。
豪ドル円は82円台後半から前半へ、NZドル円は63円台後半から63円近辺まで下落した。ただ、午後には下げ渋る動きもみられた。NZドルは終始弱く、オージーキーウィーは1.29台半ばから1.30台後半へと大きく上昇した。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【NY市場】円売り優勢、追加緩和期待やリスク選好の流れで
10日のNY市場は円売りが優勢だった。ドル円は当初、90.35-50レベルで揉み合いとなったが、心理的節目の90.50レベルを突破すると一時90.80レベルまで上昇した。ハイテク株中心に米国株が上昇するなど、リスク選好の流れもドル円の上昇を後押しした。ユーロ円を中心にクロス円も買われた。ユーロ円は123円付近から124円付近、ポンド円は135円付近から135円台後半、豪ドル円は82円台後半から83円台前半まで上昇した。午後に入ってダウ平均が伸び悩むと、ドル円、クロス円は軟化したが、ドル円は90円台半ば、ユーロ円は123円台半ばで下げ渋るなど下値は限定的だった。ロンドン市場で話題になった日銀の追加緩和期待が意識されたようだ。
◆NZドル下落、利上げ時期に変化なし
きょうはNZ中銀の金利発表後にNZドル売りが進んだ。この日発表されたNZの政策金利は市場予想通り2.50%で据え置き、焦点とされた声明では2010年半ばごろに金融刺激策の解除を始めると従来の文言が踏襲された。金利発表後、NZドル/ドルは0.70台後半から0.70台前半、NZドル円は64円付近から63円台半ばまで下落、オージー・キーウィ(AUD/NZD)は1.29台半ばから1.30台前半まで上昇した。金利発表時に公開された四半期金融政策報告では2010年及び2011年の成長見通しとインフレ見通しが上方修正されたが、事前にNZドル買いが進んでいた反動で金利発表後はポジション調整に押され気味となっていた。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【ロンドン市場】日銀の追加緩和期待で円安
10日のロンドン午前は円売りが優勢だった。来週行われる日銀金融政策決定会合で、追加緩和策が決定される可能性が意識された。朝方こそ、ポンド安をきっかけに円高に振れる場面もあったが、その後は円売りが続いた。この日は、ロイター通信が関係者の話として、日銀が追加緩和に傾いていると伝えている。日本政府が日銀へ追加緩和圧力を強めていることも思惑を広げる背景となっている。
ただ、この日発表された英鉱工業生産が弱く、ポンド円の上値は限られた。英鉱工業生産は予想外に前月比マイナスとなった上、前年比では予想以上の落ち込みとなった。市場予想では前月比0.3%の伸びが予想されていた。
◆円相場が展開を主導、弱い英鉱工業生産はポンドを圧迫
ドル円は日銀の追加緩和観測を背景に89.93辺りから90.46辺りまで上昇。ユーロ円はロンドン朝方に121.87辺りまで軟化後、123.15辺りまで反発した。ポンド円は中東系のポンド売り観測があった中、134円台終盤から133.90辺りまで軟化。その後、対主要通貨での円安の動きにサポートされ135円台にのせる場面もあったが、弱い英鉱工業生産が重石となり上値は抑えられた。
ポンドドルは中東系の売り観測や弱い英鉱工業生産を背景に、1.49台後半から1.4871辺りまで下落し、約1週間ぶりに1.49台を下回った。ただ、ポンド円が下げ渋ったこともありポンドドルの下値も限られた。ユーロドルはポンド安・ドル高の動きに追随し、1.3600ちょうど付近から1.3543辺りまで下落。その後、ユーロ円の堅調推移もあり、1.3622辺りまで反発した。ユーロポンドは0.90台後半から0.9128辺りまでしっかりと推移。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【東京市場】オセアニア買い・ポンド売りも、ドル円は90円で膠着
10日の東京市場、海外市場に比べて各通貨の値動きは小幅に留まった。ドル円は90円を挟んでのレンジ取引。ユーロドルも1.36近辺で膠着した。そのなかで、NZドルなどオセアニア通貨が堅調、ポンドが軟調な動きが目立っていた。
ドル円はゴトウビ(5・10日)であることで仲値にかけて堅調に推移した。早朝に89.80台へと下落したあとは90.10近辺まで反発。しかし、仲値通過後は動きが限定され、90.00を挟んで上下5ポイント程度しか動かなかった。市場では、オプションのガンマ取引が観測されていた。昨日と同水準で、輸出や投資家は積極的な売買はみられず。クロス円はまちまち。豪ドル円が82円台半ばへと上昇しての高止まり。NZドルが豪ドル以上に買われる場面もあった。NZドル円は63円台前半から後半へと水準を上げた。一方、ポンド円は135円台前半から134円台後半へと軟調に推移した。ユーロ円は122円台半ばでの揉み合いが続いた。引き続き資源国通貨買い・欧州通貨売りの傾向がみられたが、東京市場での値幅は狭かった。朝方の日本の機械受注は市場予想を下回ったが、内閣府の基調判断は上方修正されて、市場は反応しづらかった。
◆豪ドルの材料は強弱分かれる
東京時間早朝にロウ豪中銀総裁補佐がシドニーで講演、豪経済は今後2年間は平均あるいはそれ以上の成長になるだろう、豪ドル相場のすばらしい柔軟性が資源ブーム下でのインフレ抑制に寄与した、インフレ抑制には供給面の拡充が課題、住宅価格および家賃が上昇しており一層の住宅投資が必要、グローバルなリスクを警戒も、メインシナリオは豪州やアジアにとってポジディブなもの、など全般に強気の見通しだった。市場は早期の追加利上げが必要との認識から豪ドル買いの反応をみせた。また、3月のWestpac消費者信頼感指数は0.2%と前回の-2.6%から改善、プラスに転じたことも豪ドルをサポートした。一方、1月の豪住宅ローン承認件数は前月比-7.9%と市場予想+2.0%から大幅に落ち込んだ。前回値は-5.1%(修正前-5.5%)だった。これには豪ドルも上昇力が削がれた。
◆中国貿易黒字は予想を上回る
2月の中国貿易黒字は76.1億ドルと、予想71.5億ドルを上回った。2月の輸出は前年比45.7%増、輸入は同44.7%増と貿易量の急増が示された。豪ドルやNZドルには支援材料となり、買いの反応がみられた。ただ、1月の141.7億ドルの黒字幅からはほぼ半減していた。明日は中国経済指標デー。生産者物価指数、小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資などが発表される。引き続き中国経済指標がオセアニア通貨を中心に注目されそうだ。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【NY市場】円高・ドル高一服、リスク回避色の緩和で
9日のNY市場は英欧のソブリン・リスクを背景とした円高・ドル高が一服した。ユーロドルは1.35台前半から1.36台前半、ポンドドルは1.49台前半から1.50台前半まで切り返し、ロンドン市場での下げをほぼ回復した。クロス円もほぼ同様の展開だった。ユーロ円は121円台半ばから122円台半ば、ポンド円は134円付近から135円台前半まで反発した。資源国通貨は欧州通貨を凌ぐペースで買い戻され、豪ドル円は81円台前半から82円台前半、カナダ円は87円付近から87円台後半まで上昇した。ダウ平均が一時50ドル超上昇、これに反応して原油先物が一時プラスに転じるなどリスク回避色の緩和が短期筋のポジション調整を誘発した。
◆ドル円下げ渋る、クロス円買い戻しで
ドル円は当初、89円台後半で揉み合いとなったが、終盤には一時90円台に乗せた。テクニカル的には89円台半ばの10日移動平均線がサポートとして機能した形。クロス円の上昇がドル円を押し上げる原動力となった。ただ、NY市場での値幅は約30銭と小さい。欧州通貨や資源国通貨を通じたドル安とクロス円を通じた円安に挟まれ、ドル円は方向感を見出し難い展開だった。エバンス・シカゴ連銀総裁の講演、米3年債入札(400億ドル)など米国関連のイベントは手掛かりにならなかった。エバンス総裁は労働市場の脆弱性を指摘、当面は金融緩和策を続けることが妥当との見方を示している。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【ロンドン市場】フィッチのコメントで欧州通貨安
9日のロンドン午前は欧州通貨安をきっかけとして円高やドル高の動きとなった。欧州通貨安の背景はムーディーズやフィッチなどの格付のコメント。東京時間帯にムーディーズが財務状況が改善していない英銀の格下げの可能性を指摘した上、その後、フィッチが英国やユーロ加盟国の格付けにもネガティブなコメントを出したことが背景。ユーロ円やポンド円が下落したことで、ドル円も圧迫された。オセアニア通貨も上値が抑えられた。
この日、格付会社のフィッチは、英格付けは財政政策でタイムリーな措置がなければ懸念要因になる、ユーロ圏でソブリンのデフォルトの可能性がある、英ソブリンの信用状況は悪化、英国を含め世界の景気見通しは不透明、英国は一層の財政再建が必要、などとコメントした。ただ、トリプルA格付の中で英国やスペイン、フランスの緊急性が高いとしつつも、英国はトリプルA格付の許容範囲と付け加えている。
◆欧州通貨安は円相場に波及、蒸し返しが続くソブリンリスク
ドル円はクロス円に圧迫され、90円ちょうど前後から89.62辺りまで軟化。下げ一服後は89円台後半でもみ合いとなった。ユーロ円はユーロ圏加盟国のソブリンリスクが意識される中で、122.77辺りから121.57辺りまで下落。ポンド円も英財政懸念や英総選挙の不透明感を背景に135.36辺りから133.90辺りまで下落した。
フィッチのコメントを受けて、ポンドドルは1.5025辺りから1.4936辺りまでドル高推移。ユーロドルも1.3627辺りから1.3548辺りまで下落した。ロンドン序盤はポンド売りが優勢だったが次第にユーロにも売りが強まった。ユーロポンドは0.9096辺りまで上昇後、0.9060辺りまで押し戻された。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【東京市場】円安に調整、ドル円は89円台突入も
9日の東京市場、円安の動きへの調整が中心だった。ドル円は90.30レベルから取引が始まったが、輸出の売りやクロス円の売りに押されて、昼前には89.90レベルまで下落した。先週末の米雇用統計のとき以来の89円台だった。
クロス円の売りが円高の動きを強めた面もあった。ポンド円は136円台前半から一時134円台後半まで下げた。ユーロ円も123円台前半から122円台前半へと軟化した。アジア株式が軟調に推移したことや、投資家からの円転(円買い)の需要が観測された。中国通貨当局からの人民元に関する発言も伝わったが、基本的には安定を望む、との内容で特段のインパクトは見られなかった。
円買い主導の展開に、ユーロドルなど対ドル相場の値動きは限定的だった。ユーロドルは1.36台前半での揉み合いが続いた。ポンドドルはやや売りが優勢で、1.50台後半から1.50近辺へと水準を下げた。ユーロポンドが買われるなど、ポンド売りの動きが加わっていた。
◆豪ドルの下げは限定的
各主要通貨で円買いの動きが強まるなかで、豪ドル円も82円台前半から81円台後半へと軟調だった。ただ、オージーキーウィーが買われたほか、オージーカナダも底堅く推移した。豪ドル買いの材料としては、良好な豪経済指標の結果が指摘されよう。2月のNAB企業景況感指数は8(前回3)、企業信頼感指数は19(前回15)とそれぞれ改善している。また、2月のANZ求人広告件数は前月比+19.1%と前回の-8.1%から大幅に増加した。また、原油先物が81ドル台と引き続き高止まりしていることで、豪株式市場が堅調だった点なども豪ドルを支えた。
◆英経済指標はまちまちの結果
東京朝方に英住宅指標と小売指標の発表があった。2月の英RICS住宅価格は17と発表された。前回の31(修正前は32)および市場予想30を下回る結果になっている。2009年8月以来の低水準だった。英RICSによると、住宅市場は回復基調だが、購買者数の伸びに比べて供給の伸びが勝ったために一層の需要が必要となっている、との分析だった。一方、英BRCが発表した2月既存店売上は前年比+2.2%、総店舗売上は同+4.5%だった。1月の大雪による販売不振は解消しているとの見方。1月の既存店売上は前年比-0.7%だった。ただ、今後のVAT(付加価値税)の引き上げ見通しなどがマイナス材料との観測もあるようだ。また、午後には米格付け会社ムーディーズが、英銀に対する政府支援が徐々に縮小されるに伴って、財務状況が改善していない英銀を格下げする可能性を指摘している。昨日のロンドン市場ではポンド主導の動きをみせた。本日も改めて材料視される可能性がありそうだ。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【NY市場】ポンドが値動きを主導
8日のNY市場はポンドが値動きを主導した。ポンドドルは1.51台後半から1.50台前半まで急落、6日の米雇用統計発表後の上げ幅を消した。この間、ポンド円は137円付近から135円台後半まで急落、ユーロポンドは0.90台前半から0.90台後半まで急伸した。ポンドドルの急落局面では、ユーロドルが1.36台後半から1.36割れ寸前、豪ドル/ドルが0.91台前半から0.90台後半まで下げる波乱があった。市場では英国の財政不安や量的緩和の拡大観測など様々なポンド売り要因が取り沙汰されたが、いずれも説得力に欠けた。材料難の中、比較的まとまった売りがストップロスを誘発、主要通貨間で一斉にポンド売りが広がる形となっていた。
◆ドル円はレンジ取引、輸出の売りと緩和期待で
ドル円は90.20-50レベルでレンジ取引だった。ポンドドル主導のドル高局面では強含んだが、心理的節目の90.50レベルを突破するには至っていない。日銀の追加緩和期待や投信設定に絡んだ円売り需要がドル円を下支えする一方、輸出企業のまとまった売りがドル円の上値を抑えた。ポンド円に連れ安となる形でクロス円は値を崩したが、ドル円はロンドン市場のレンジをほぼ踏襲するなど方向感は今ひとつだった。次のアクション待ちといった雰囲気。
◆クロス円、ポンド円に連れ安
クロス円はポンド円に連れ安となった。NY勢の参加当初は円安気味となったが、ポンド円が137円付近から135円台後半まで急落すると、一気に値を崩している。ユーロ円は123円台後半から122円台後半、豪ドル円は82円台半ばから81円台後半、カナダ円は88円台前半から87円台後半まで下げた。ポンド円の下げが一服するとクロス円も下げ渋ったが、ユーロ円は123円台前半、豪ドル円は82円台前半、カナダ円は88円台前半で戻りを阻まれるなど冴えない。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【ロンドン市場】手がかり限定、円高・ドル高気味
8日のロンドン午前は小動き。円高やドル高の動きはあったものの、先週末の米雇用統計後の反動が若干出た程度で、値動きは限られた。ドル円は90円台前半でもみ合い。クロス円も先週末の米雇用統計後の円安圏を引き継いだ。ユーロ円が123.86辺りから123.08辺りまで下落した後、123円台中盤で推移した。ポンド円は137円台前半から136円台中盤まで円高推移後、136円台後半で取引された。
ユーロドルはロンドン早朝にかけて1.3703辺りまでドル安推移後、1.3636辺りまで軟化。ポンドドルは1.5195辺りから1.5112辺りまでドル高の動き。ユーロポンドは0.9029辺りから0.8994辺りまで軟化後、0.9028辺りまで往来。欧州株式市場は冴えない展開だったが、利益確定の売りは限定。時間外取引で原油は上げ幅を削ったが、先週末比プラス圏を維持した。
◆欧州通貨基金(EMF)の新設を提案へ
この日、欧州委員会のスポークスマンはユーロ圏の救済基金の新設を提案する用意があると表明した。あくまで提案段階であるとして、今後の欧州通貨基金(EMF)のタイムフレームについても発言を避けている。また、この提案によってEU条約を改正する必要があるかどうかに言及するのは時期尚早とした。
この件について、欧州委員会のタヤーニ委員(産業・起業担当)は、明日の定例会合で討議する可能性があると発言している。
(Klugアナリスト 谷口英司)
【東京市場】円安水準で揉み合う ドル円一時90円台後半に
週明け8日の東京市場は、ドル円90円台、ユーロ円123円台など円安水準での取引だった。
前週末に発表された米雇用統計が大雪にもかかわらず予想ほど悪化しなかったことで、米株が上昇、リスク選好の円売りが強まった経緯がある。週明けは各通貨とも円安・ドル安水準から取引が始まった。ドル円は取引序盤に、90円台前半から一時90円台後半へと高値を伸ばす場面があった。その後は輸出の売り観測もあったが、90円台前半がサポートされての揉み合いが続いた。クロス円は午後の取引にかけても堅調な動きだった。ユーロ円は122円台後半から123円台後半へと上昇、ポンド円は136円台半ばから137円乗せ水準へと上昇した。日経平均が約200円高と大きく上げ、アジア株全般も堅調に推移した。また、原油先物など商品市況も底堅く推移した。ユーロドルは1.36台前半から1.37手前へと高値を更新。豪ドル/ドルも0.90台後半から0.91台乗せとなるなど、典型的なリスク選好パターンで、円安・ドル安圧力が継続した。
◆人民元NDFが神経質に動く
週明け8日の人民元12ヶ月NDFは6.6450レベルから一時6.6270レベルまで下落した。周・人民銀行総裁が特殊な人民元政策を取りやめる可能性に言及したことが材料だった。人民元は2008年央の金融危機以来、ドルにほぼペッグされた動きが続いている。これを特殊な人民元政策と呼んでいる模様。ただ、中国商業相は、人民元改革については段階的かつ管理された手法をとり続ける、とも述べており市場に牽制球を投じていた。NDF市場の値動きに示されるように、市場は人民元政策についての何らかの変化に敏感になってきている。
◆ポンド安が好ましいとの見方も
ポンドドルは1.51台半ばから後半、ポンド円は137円台乗せと高値水準での取引が続いた。英タイムズ紙に、現状ではポンド高よりもポンド安の方が好ましいとの観測記事が掲載されていた。これまでもポンド安が経済成長に寄与するとの論調があったが、そのほかにも経済構造のリバランスに役立つとの見方。英国の消費に頼った内需主導型経済から、輸出や製造業主導の経済構造への転換を促す効果もあるという。東京市場では特段の反応は示さなかったが、ロンドン市場ではどうか。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【NY市場】円全面安、米雇用統計で楽観論広がる
5日のNY市場は円が全面安となった。この日発表された2月の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が前月比3.6万人減、失業率が9.7%となり、市場予想ほど悪化しなかった。市場では大雪の影響で雇用者数が7万人近く減少、失業率が9.8%に悪化すると見込まれていた。下振れ警戒感が強かっただけに、発表後は景気回復に楽観的な見方が広がった。ドル円は89.30レベルから90.60レベルまで上昇。2月25日以来となる90円台に乗せた。ローマー米CEA委員長が声明で、大雪の影響で統計に歪みが生じた可能性、今後数ヶ月以内に雇用者数が増加に転じる可能性を指摘したことも楽観論を後押しした。カナダ円を筆頭にクロス円も急伸した。カナダ円は86.60レベルから88.20レベルまで上昇、株高・商品高など資源国通貨に追い風が吹いたことでドル円を凌ぐペースで買われた。ダウ平均は120ドル超上昇、約1ヶ月半ぶりの高値を付けた。ユーロ円は121.30レベルから123.30レベル、ポンド円は134.40レベルから137.05レベル、豪ドル円は80.70レベルから82.30レベルまで上昇した。
◆欧州通貨、リスク選好の流れで切り返す
ユーロドルなど欧州通貨はリスク選好の流れを背景に上昇した。米雇用統計の発表直後はドル買いが先行、ユーロドルは1.3580レベルから1.3530レベル、ポンドドルは1.5045レベルから1.4990レベルまで下落した。ただ、ダウ平均が100ドル近く上昇、クロス円が一段高になると、この流れに乗る形で欧州通貨は切り返している。ユーロドルは1.3630レベル、ポンドドルは1.5165レベルまで上昇、この日の高値を更新した。きのう売られた反動で下値では買い戻しも入っていたようだ。米国債利回りは上昇したが、金利上昇を背景としたドル買いは一時的だった。
◆米雇用統計、天候要因を考慮すればまずまず
きょう発表された2月の米雇用統計はまずまずの結果だった。非農業部門雇用者数(NFP)は前月比3.6万人減と、前回1月(前月比2.6万人減)を上回る減少幅だったが、全体に先行する人材派遣業は前月比4.75万人増と5ヵ月連続でプラスだった。雇用創出に貢献した業種の比率を示す民間雇用DIは48.0と2ヶ月連続で改善した。大雪の影響で建設業や運輸業は雇用者数が大きく落ち込んだが、全体としてみれば、雇用者数の減少は小幅だった。ただ、FRBの早期利上げ期待が再燃する状況には至っていない。単月のデータで金融政策を判断すべきではないとの見方が背景。下振れ警戒感が強かっただけに、過度の悲観論が後退したと考えたほうが無難のようだ。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【ロンドン市場】米雇用統計待ち
5日前半のロンドン市場は方向感なく上下動する展開。きょうはギリシャ首相とドイツ首相の会談なども開かれていたが、欧州通貨のソブリンリスクも一段落する中、次の材料待ちといった雰囲気。とりあえす、きょうの米雇用統計の結果を見極めたいとのムードが強かったようだ。ーロドルは1.36手前での振幅に終始した。ドル円は堅調な動きを続けていたが、大きな動きは出ていない。
◆プルデンシャルの株主割当増資がポンドをサポートとの指摘も
ポンドは上値が重い雰囲気はあったものの、ポンドドルは1.50台を維持している。今週、ポンド売りが強まったきっかけにプルデンシャルのAIA(AIGのアジア部門)買収があげられる。ただ、プルデンシャルは買収費用の工面に、株主割当増資を計画しており、シンガポールのGICやカタール・ホールディングスなど政府系ファンドは引き受けを承知しているという。その調達資金はポンドで支払われることから、AIGへのドルの支払いと相殺されるとの指摘も出ている。
◆ドル円、89.00から89.50のゾーンに停滞
ドル円は堅調な動きを続けていたが、大きな動きは出ていない。前日のNY市場を振り返れば、ドル円は指標発表後、突如買いが強まった印象。同時に他の円相場も円安の動きを強め、ドル円が引っ張った相場だったといえよう。きっかけとなったのは米新規失業保険申請件数の結果だが、特にポジティブな結果だったわけではない。しかし、米国債利回りが上昇の反応を見せたことから、これ以上の下値も攻めずらく、また、日本の機関投資家の大口買いなども下値で観測されたことから、恐怖感のあまり、一気にショートカバーをとりに行ったものと思われる。ドル円は89円台を回復し、その後、弱い米住宅指標の発表にもかかわらず、89円台を固持したことから、ショート勢もあきらめぎみといったところ。きょうのロンドン市場は89.00から89.50のゾーンに停滞していた。きょうの米雇用統計の結果次第だが、上値を伺う姿勢は見える。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
【東京市場】円安傾向続く、ドル円は89円台前半
5日の東京市場は、日経平均が大幅高となり、円安傾向が続いた。ただ、値動きは緩やかで、この後の米雇用統計待ちのムードが広がった。きょうから始まった全人代では温首相が今年の成長率目標8%を掲げるとともに、経済発展のための構造転換の決意が表明された。
ドル円は早朝に一時89円を割り込む場面があったが、その後はジリ高の動きとなって89.35レベルまで上昇。前日海外市場での高値89.27レベルを小幅ながら更新している。前日NY市場での株高を好感して、日経平均は寄り付きから100円高で始まり、200円を越す大幅高となった。日経新聞朝刊で、日銀が追加緩和策を検討、との報道が流れたことも円安・株高の材料となっていた。また、中国全国人民代表大会(全人代)がきょうから開幕、上海総合指数が特段ネガティブな反応をみせていないことも市場に安堵感を与えていた。
クロス円にも買い圧力が掛かり、ユーロ円は121円近辺から121円台前半へ、ポンド円は133円台後半から134円台前半へと円安の動きだった。対ドルでもユーロドルが1.36近辺まで、ポンドドルが1.50台後半まで買い戻される場面があった。ただ、値動きは限定的で、全般的な水準としては前日海外市場での大幅なドル買いに小幅の調整が入った程度となっている。市場の関心は米雇用統計に移っているようだ。
◆全人代、温首相は今年の成長目標を8%と表明
きょう5日から中国全国人民代表大会(全人代)が開幕した。冒頭の活動報告で温首相は、今年の中国経済成長目標を8%と掲げた。積極的な財政政策および緩和的な金融政策を継続すると表明したことで市場の安心感を誘った。ただ、これまでの成長一辺倒ではなく、経済の構造改革を推し進める、としたことが新しい点だった。国内の所得格差是正、海外との不均衡是正の強い意志が示されている。
これまでのところ、中国株式市場は今後の内容を見極めたいとして大きく反応していない。また、為替市場で注目される人民元に関しては、国外での利用を活発化させる、と述べるに留まり、相場水準についての言及は今後の課題となっている。全人代は14日まで開催される予定。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
【NY市場】ドル円主導で円安、雇用回復期待
4日のNY市場ではドル円主導で円安に振れた。前週の新規失業保険申請件数が46.9万件と市場予想とほぼ一致すると、ドル円は88円台前半から89円台前半まで急伸した。失業保険継続受給者数が450万件と09年1月以来の低水準となったことも米国の雇用回復期待を高め、ドル円の買い戻しを誘発した。クロス円はドル円に連れ高となり、ユーロ円は120円台後半から121円台後半、ポンド円は133円台半ばから134円台後半、豪ドル円は79円台後半から80円台半ばまで上昇した。1月の中古住宅販売成約指数が前月比7.6%減と予想外の落ち込みを示すと、リスク懸念を背景にクロス円は売りに押されたが、ドル円はユーロドル主導のドル買いに支えられ、底堅く推移した。
◆ユーロドル1.36割れ、会見は決め手に欠ける
ユーロドルは1.36台後半から1.35台半ばまで値を崩した。金利発表後に実施されたトリシェECB総裁の会見はやや決め手に欠ける内容だったが、会見終盤にロンドン市場の安値を割り込むとストップを巻き込む形で下げ足を早めた。このほか、ユーロ安要因としてムーディーズによるドイツ銀行の格下げ、トリシェECB総裁が一部メディアとのインタビューで、強いドルは米国の国益に適う(最近のユーロ安に関する質問で)と述べたことなどが話題となっていた。なお、会見では金融危機後、非標準的手段として導入した流動性供給策のうち、3ヶ月物資金供給オペを従来の入札方式に戻す一方、7日物と1ヶ月物は少なくとも10月12日まで固定金利での資金供給を継続する方針を示している。ECBスタッフの経済予測では2011年のGDP見通しが上方修正された。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
【ロンドン市場】上下動、ポンドの買い戻しは続く
4日前半のロンドン市場、序盤は株安からのリスク回避の動きが意識される展開で始まったが、その後は戻す展開。中国株が2.4%下落、日経平均も100円超下落する中、為替市場は円買いの動きが強まり、つれて欧州通貨や資源国通貨も売られる展開となった。しかし、動きが一巡するとリバウンドから、結局、元の水準に戻る展開。下向きに往って来いといったところ。
その中で、ポンドの買い戻しが目立った。対ユーロでも買い戻されており、ユーロポンドは軟調な動き。米カストディアン系のポンド買いなども観測。
また、ユーロに関してはギリシャ10年債の入札が話題となっていた。ギリシャ政府は50億ユーロの10年債の入札を実施。緊縮財政に向けた追加措置を発表した直後で、実際の市場の信頼を測るうえで注目されていた。利回りは指標のスワップレートに3.0%上乗せした水準。これに対して、応募は160億ユーロとなり、好調な結果となった。この結果もユーロをサポート。再び1.37台をうかがう展開となっている。
◆英中銀もECB据え置き 静かに通過
英中銀とECBの政策金利の発表があったが両方とも据え置き。英中銀は量的緩和も据え置いた。ポンドは政策発表直後は小動きが続いたが、量的緩和に関して何も変化が無かったことから、買い戻しが再開。ポンドドルは1.51台に上昇している。ただ、基本的には静かに通過した。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
